「マクドナルド」はなぜ「マクダーナルズ」ではダメだったのか |BEST TiMES(ベストタイムズ)

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

「マクドナルド」はなぜ「マクダーナルズ」ではダメだったのか

3音か5音か7音で音が切れない“マクダーナルズ”では受けない

■ニコイチネーミング作戦

『マクドナルド・ハンバーガー』と、常に『マクドナルド』に『ハンバーガー』をくっつけたことだ。

『マクドナルド』だけでも『ハンバーガー』だけでもなく、最初から『マクドナルド・ハンバーガー』とふたつをひとつの商品名にして、売って売って売りまくったのだ。

 表音文字の漢字民族の日本人には、これは効果があった。

 

 たとえば「村」という漢字は「木」と「寸」でできている。単独で読めば、あくまでも「木」は「木」、「寸」は「寸」である。ところがこれが一緒になると、まったく別の「村」という字になり、意味もまったく違ってくる。

『マクドナルド』も『ハンバーガー』も片仮名であるが、これを一緒にして『マクドナルド・ハンバーガー』と続けることによって、「木」と「寸」を一緒にして「村」というように、漢字的に作用させることを私は狙った。

 これも狙いどおりに成功した。

 看板も広告もすべて『マクドナルド・ハンバーガー』として『ハンバーガー』を『マクドナルド』からはなさなかったのが大成功だった。

 つねに『マクドナルド・ハンバーガー』と続けて書いた看板を眺め、続けて読んでいるうちに、一般の人の意識の中で、両者は不可分のものになってしまったのだ。つまり『マクドナルド』と聞いただけで『ハンバーガー』を連想するようになったのだ。

 先日、大阪へ行ったとき、ある人が私にいった。 

「藤田さん、マクドナルドのライバル店ができましたよ。そこでもやはりハンバーガーを売っています。面白いから行ってみましょう」

 そういって誘う。 

次のページ子供が「マクドナルドください」と言っている

KEYWORDS:

今こそ読むべき、お金儲けの古典!
藤田田の好評既刊

◎経営者・リーダー向け『勝てば官軍』

◎入門編『Den Fujitaの商法①~④』

①頭の悪い奴は損をする

②天下取りの商法

③金持ちラッパの吹き方

④超常識のマネー戦略

〈ベストセラーズからのおしらせ〉

また、アマゾンの中古市場で1万円以上の値をつける、藤田氏の

傑作『ユダヤの商法』も3月に復刊予定!お楽しみに。

オススメ記事

藤田 田

ふじた でん

「日本マクドナルド」創業

1926年大阪生まれ。旧制北野中学、松江高校を経て、1951年東大法学部を卒業。在学中GHQの通訳を務めたことがきっかけで「藤田商店」を設立、学生起業家として輸入業を手がける。1971年、米国マクドナルド社と50:50の出資比率で「日本マクドナルド(株)」を設立。同年7月、銀座三越1階に第1号店をオープン。そこからハンバーガー旋風を巻き起こし日本人の食生活を変えていく。「価格破壊」など革新的な手法を次々と展開した。のちに「日本トイザらス」も設立。2004年没。孫正義氏、柳井正氏ら、日本を代表する企業を率いる経営者たちに影響を与えたとされる。『ユダヤの商法』『勝てば官軍』『Den Fujitaの商法』など数々のベストセラーを残した。長く品切れが続いていたが2019年4月に完全復刊する。


この著者の記事一覧

RELATED BOOKS -関連書籍-

ユダヤの商法(新装版)
ユダヤの商法(新装版)
  • 藤田 田
  • 2019.04.13
勝てば官軍(新装版)
勝てば官軍(新装版)
  • 藤田 田
  • 2019.04.13
毎年生まれる100万人にフォローされる商売を考えよ 金持ちだけが持つ超発想(Den Fujitaの商法2の新装版) (Den Fujitaの商法 新装版 2)
毎年生まれる100万人にフォローされる商売を考えよ 金持ちだけが持つ超発想(Den Fujitaの商法2の新装版) (Den Fujitaの商法 新装版 2)
  • 藤田 田
  • 2019.04.13